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みなさん、こんにちは!

行政書士の坂本圭士郎です。

今回は、もし家族の中に、行方不明者がいる場合の「相続手続き」はどうなるのでしょうか?当然ですが、行方不明者の財産については、なんの手続きを経ることなく、残された家族・親族が勝手に処分することはできません。

また、相続人の中に行方不明者がいることはそんなに珍しいことではありません。なぜなら、警察へ行方不明者届が提出された人の数は過去10年間で毎年8万人以上の方が行方不明となっているからです。そこで、もし家族が長期にわたって行方不明の場合、何ができるのでしょうか?

1.失踪宣告とは?

失踪宣告は、行方不明の状態が長期化した場合、残された遺族や配偶者は、非常に困ったことになってしまいます。

なぜなら、行方不明者の財産を処分することができない、又は、別の人と再婚できないなど、不安定な立場に置かれてしまうためです。このような場合に、残された親族等の立場を安定させるため、一定の条件のもとで、行方不明者を死亡したものと取り扱う制度が「失踪宣告」です。行方不明者を死亡したものと取り扱うことができることで、行方不明者の相続が発生し、残された遺族は財産を自由に処分することが可能となります。なお、行方不明者の財産について、このような「失踪宣告」等の手続きを経ることなく、残された親族が勝手に処分することはできません。また、残された配偶者は、行方不明者である配偶者と死別したこととされ、再婚が可能となります。

一方、配偶者の生死が3年以上明らかでないときは、失踪宣告等の手続きを経ることなく、離婚することが可能です。

2種類の失踪宣告

失踪宣告には行方不明者を死亡したものと取り扱う非常に強い効果を生み出す強力な制度となっています。そのため失踪宣告が認められるためには、要件を具備する必要があります。その要件とは、行方不明者の生死が不明な状態が、一定期間継続していることが必要となります。

また、失踪宣告には2種類あるんです。

1:普通失踪

通常、失踪宣告が認められるために7年の失踪期間が必要とされており、これを「普通失踪」といいます。この場合には、行方不明者の生きていることが最後に確認されたときから7年経過したときに死亡したものとみなされます。

2:特別失踪

行方不明者が、戦争や海難事故などの「死亡の原因となる危難に遭遇」し、その危難が去ったあとの1年間、生死が不明な状態である場合にも失踪宣告が認められます。

今回は、行方不明者にかかる失踪宣告についてお伝えさせて頂きました。家族や親族が行方不明となってしまった場合には、警察への相談と合わせて、弁護士等の専門家にも相談することをお勧めします。次回も是非お楽しみに。

行政書士 坂本 圭士郎

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坂本 圭士郎

立命館大学法学部卒業。豊和銀行勤務を経て、行政書士試験に合格。相続手続き を専門とした行政書士コリンズ法務事務所を設立。大分県内各地で、分かりやす く相続手続きのを伝...

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