【相続税対策として孫を養子にした結果!2割も加算!? 】行政書士 坂本 圭士郎
みなさん、こんにちは!
行政書士の坂本圭士郎です。
相続税制が大きく改正されて8年が経過しますが、
相続税の対策方法は、人によって様々です。なぜなら、その人の年齢や財産の種類など大きく異なるためです。
その中で、相続税の節税対策の1つとしてお孫さんとの養子縁組を考えている方もいらしゃるのではないでしょうか?
しかし、お孫さんを養子にすることで節税効果が期待できる一方、
実は、相続税の2割加算される
デメリットもあることをご存じでしょうか。
今回のブログでは、お孫さんを養子にした際に気をつけてほしい注意点と、養子にしたことによって得られる相続上のメリットについて解説させて頂きます。
孫を養子にした場合の「2割加算」とは?
孫など、配偶者と被相続人の一親等の血族以外の人が相続や遺贈、相続時精算課税に係る贈与で財産を取得した場合、相続税額に2割相当の金額が加算されます。注意しなければならないのは、孫を養子とする「孫養子」の場合です。
孫養子は法律上、実子と同じ一親等となりますが、例外的に2割加算が課せられます。ただし、被相続人の子供である孫養子の親が相続発生時に亡くなっており、孫養子が親の代襲相続人になる場合は、2割加算の対象外となります。
「孫養子」の相続上のメリットは?
「孫養子」にする主なメリットは
1)相続税の非課税枠が増える
孫を養子にすると法定相続人の数が増えることにより、基礎控除額や非課税限度額が増え、その分相続税の課税対象額が減少するので、受け取れる相続財産が増えることになります。
【対象となる基礎控除等】
相続税の基礎控除額
生命保険の非課税限度額
退職手当金の非課税限度
また、祖父母から孫へ1回の相続で財産を引き継げるメリットもあります。通常、祖父母の財産が孫に引き継がれるには、2回の相続を経る必要があります。そのため相続税も2回分となります。
孫を養子にすることで相続を1回減らすことができるため、その分相続税を抑えられる可能性があります。
孫を養子にする場合の相続の注意点
デメリットとしては、相続税の計算において相続税の基礎控除額や生命保険・退職手当金の非課税限度額を計算する場合にカウントされる養子の数には制限があります。
つまり、養子縁組をした数に比例して節税効果が大きくなるわけではありません。
また、節税目的の養子は相続税の計算でカウントされません。相続人のなかに養子がいる状況で、養子の存在が相続税の負担を不当に減少させると判断されると、相続税の計算上、養子を法定相続人の数に含めることができない場合があります。「相続税の負担を不当に減少させる」とは、相続税対策目的の養子縁組であるということです。
養子縁組に合理的な理由が認められない場合や、相続発生直前の養子縁組などは、相続税対策と指摘される可能性があるため注意が必要です。孫を養子にすることを検討するなら、メリット・デメリットをしっかりと理解することが大切です。
次回も是非お楽しみに。
行政書士 坂本 圭士郎
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