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みなさん、こんにちは。行政書士の坂本です。

今回は、特に個人事業主や小規模企業の経営者にとって必見の制度をご紹介します。

定年前後の判断で2,000万円以上差がつく!?
「もっと早く知っておけばよかった…」そんな声が多く挙がるのが、定年前後の“お金の選択”です。

退職金や年金、保険、働き方――こうした選択を何気なくしてしまうだけで、生涯の手取り額が2,000万円以上も変わることがあると言われています。少しの工夫で大きな差がつくのに、お得な情報を知らないだけで損をしてしまう。これは非常にもったいない話です。

個人事業主は退職金がない。その備えをどうするか?

会社員であれば、定年時に退職金が支給されるのが一般的です。しかし、個人事業主や小さな会社の役員にはそのような仕組みがありません。そのため、事業主自身が老後資金を準備しなければならないのですが、日々の経費や税金の支払いに追われ、なかなか貯蓄に回せない…という人も多いのが現実です。そんな状況で頼れるのが 「小規模企業共済」 という国の制度です。

小規模企業共済とは?制度の仕組みとは?

小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構が運営する個人事業主や小規模企業の役員向け退職金制度です。

対象:個人事業主、または小規模企業の役員

加入年齢の制限なし(iDeCoと違って何歳でも始められる)

掛金:月1,000円~7万円(500円単位で自由に設定可能)

積み立てたお金は、廃業や退職時に退職金として受け取れます。この制度の大きな特徴は、掛金が全額所得控除になること。つまり、積み立てるたびに課税所得が減るので、その分税金も下がります。

驚くほどの節税効果。実際にどれくらい得する?

例えば、掛金を月7万円(年間84万円)に設定したとします。税率が30%の人なら、年間約25万円の節税効果が出ます。

10年間継続すると、

節税額:25万円 × 10年 = 約250万円

積み立てた金額:7万円 × 12か月 × 10年 = 840万円

さらに、この積立金にはわずかながら利息がつく場合もあります。年利30%で増やせる金融商品など存在しない中、この節税効果は圧倒的と言えます。

デメリットもある?知っておくべき2つの注意点

受け取るときに税金がかかる

廃業・退職時に一括で受け取る場合は退職金扱いで課税されます。ただし退職所得控除があり、課税額はかなり優遇されます。
例:10年で840万円積み立てた場合の税額は、約34万円に抑えられます。

途中解約や掛金の減額で元本割れする可能性がある

・加入から1年未満で解約すると1円も戻らない

・20年未満で任意解約したり掛金を減らすと元本割れの可能性あり

対策はシンプルで、無理のない金額で始めることです。増額はペナルティなしでいつでもできるので、少額から始めても問題ありません。

加入するタイミングとお得な使い方

小規模企業共済は、利益が出て税金がかかりそうなときに加入するのがベストです。掛金を前納すれば、その年の所得控除をさらに大きくできます。

また、受け取り方法は

一括受取(退職金扱いで有利)と年金型受取(公的年金等扱い)の2つがあり、多くの場合は一括受取のほうがメリットが大きいです。
個人事業主は退職金がないため、自ら老後資金を準備する必要があリマス

個人事業主ならまず検討すべき制度

小規模企業共済なら、積立と節税を同時に実現でき、掛金は全額所得控除、利益が出たタイミングで加入すると効果的です。注意点は「途中解約の元本割れ」と「受取時の課税」ですが、仕組みを理解することが重要です。

小規模企業共済は、その両方を解決しながら将来の安心も得られる、まさに“使わないと損”な制度と言えるかもしれません。

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坂本 圭士郎

立命館大学法学部卒業。豊和銀行勤務を経て、行政書士試験に合格。相続手続き を専門とした行政書士コリンズ法務事務所を設立。大分県内各地で、分かりやす く相続手続きのを伝...

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