【50代女性のおひとりさま!】退職前に~今すぐ知るべきこと~
毎月お給料が入って、家賃を払って、好きなものを食べて、たまに旅行にも行けて。
「まあ、何とかなるでしょ」——そう思っていませんか。
その感覚、よくわかります。
ファイナンシャルプランナーの阿部由香です。
相談においでになられる方のほとんどの方も、最初はこうおっしゃいます。
「老後のことはそのうち考えようと思っているんですが、まだ先の話かなって。」
「今は収入もあるし、貯金も少しずつしているので、大丈夫かなと。」
責めているわけではありません。
むしろ、今うまく回っているからこそ見えにくくなっている現実があるから、
今回は、それをお伝えしていきます。
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「退職したら考えよう」が、一番危ない
相談に来てくださる方の中に、「退職してから動こうとしたら、もうローンが組める年齢ではなかった」という方が、少なくありません。
これ、笑い話ではなくて、本当によくあることで。
住宅ローンは、完済時の年齢が「80歳まで」という条件が多いんです。65歳でローンを組もうとすると、最長15年しか借りられない。返済期間が短くなるから月々の支払いが増えて、年金収入だと審査が通らないケースも出てきます。
「退職してから落ち着いて考えよう」と思っていたら、気づいたときには選択肢がなくなっていた——これが、私がいちばん伝えたい現実です。
賃貸でずっと大丈夫、は本当ですか?
「私は賃貸でいい、買わなくていい」という方もいます。
それ自体は悪くないのですが、一つだけ知っておいていただきたいことがあります。
高齢を理由に、賃貸の更新を断られるケースが増えています。
「孤独死のリスクがある」「緊急連絡先がいない」「収入が年金のみ」——こういった理由で、65歳・70歳を超えると新たに借りるどころか、今の部屋の更新を断られることがある。
今住んでいる部屋の、次の更新のとき。断られるかもしれないのです。
「更新できなくて、次の住まいが見つからない」という状況になってから相談に来られる方もいます。そのときには、選べる選択肢がずいぶん少なくなっているんですよね。
だから「そのとき考えよう」ではなく、今のうちに「私はどうする?」を考えておいてほしいのです。
年金から家賃を引いたら、いくら残りますか?
少しだけ、具体的な数字を見てみましょう。
女性の厚生年金の平均受給額:月10〜12万円ほど
そこから家賃6〜8万円を払うと……残りは4〜6万円。
光熱費・食費・医療費・日用品・通信費——その全てを、この金額でまかなうことになります。
今の生活感覚では、なかなかリアルに想像しにくいですよね。だから「まだ大丈夫」となってしまう。
「貯金があるから大丈夫」とおっしゃる方、多いです。それはそれで正しいのですが、貯金は使えばなくなります。
家賃というのは「毎月必ず出ていくお金」が一生続くわけで、その重さは今の感覚ではなかなか実感しにくい。持ち家があれば、退職後の毎月の固定費がグッと下がります。その差が、老後の「余裕」と「ずっとある不安」を大きく分けるんです。
でも退職後は、いかがですか?
「貯めてから一括で」が、老後の貯金を消していく
もう一つ、あまり語られないけれど大切な話をさせてください。
ローンが嫌いだから、車も家電も、大きな買い物は「貯まってから一括で払う」——そういう方、とても多いです。堅実で素晴らしい習慣だと思います。
ただ、老後の視点から見ると、この習慣が思わぬ落とし穴になることがあります。
ローンを組んだことがない。まじめにコツコツ暮らしてきた。それなのに、いざ家を買おうとしたとき「審査が通らない」と言われる——。
これ、あなたの信用がないからではありません。
ローンは「これから返済できる収入があるか」を見る仕組みです。退職後は収入が年金のみになるため、どんなに貯金があっても、どんなにまじめに生きてきても、「返済能力なし」と判断されてしまう。これは制度の話であって、あなたの生き方の評価では、まったくないのです。
だから、今知っておかないといけない。収入がある今のうちにしか、動けない選択肢があります。「退職してから考えよう」では、その選択肢が気づかないところで無くなっています。
たとえば、退職後に車が壊れた。冷蔵庫が壊れた。「貯めてから一括で」という習慣通りに、貯金から出す。
でも現役中と違って、出ていったお金が収入で補充されないんです。退職後の貯金は、使えばそのまま減り続けます。
車1台、家電一式、リフォーム——こうした「大きな出費」が重なると、老後の貯金があっという間に半分になってしまうことも珍しくありません。
同じ貯金でも、「いつでも使える場所に全部置いておく」のと、「用途別・時期別に分けて置く」のでは、老後の安心感がまったく違います。
日常生活費・緊急用・老後の生活費・医療・介護——これらを一つの口座にまとめていると、大きな出費のたびに「これを使っていいのか」という不安が生まれます。
「貯めてから一括で払う」という習慣は変えなくていい。ただ、老後に向けてお金の守り方を整理しておくことが、生活を守ることにつながります。
「ローンは嫌い、借金は嫌い」という価値観は、とても大切にしてほしいです。それはそれで正しいです。
ただ、その価値観のまま老後に入ったとき、貯金がどう減っていくかを一度「数字で」見ておくと、安心感がまったく変わります。ぼやーっとしていたものが、ハッキリとなりますよ。
今気づいてよかった!!
少し怖くなった方もいるかもしれません。
でも、暗い話ではないのです。
相談に来てくださった方が「もっと早く知りたかった、なんで誰も教えてくれなかったんだろう」とおっしゃったことがあって。それがずっと頭に残っているんです。だから、こうして伝えています。
今は、まだ動ける時期にいます。50代のうちに知って動けば、選択肢はたくさんあります。
難しく考えなくて大丈夫ですよ。
ただ、ここから先の「では私は何から始めればいいの?」という答えは、人によって全く違います。年収・勤続年数・貯金額・退職までの年数——これが一人ひとり違うから、「あなたの場合はどうか」は個別に見ないとわかりません。
「私の場合はどうなんだろう?」——一度立ち止まり、考える時間にされてみてください。
一緒に数字で見てみましょう。ぼやーっとしていたものが、ハッキリとなりますよ。

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