投資で増やしたお金は誰のもの?離婚時に「財産分与」の対象になる現実

「投資で増やしたお金は、自分が判断して運用したのだから自分のもの」
そう思っている方は少なくありません。しかし、離婚という局面では、その考えが通用しないケースが多く存在します。
実は、婚姻期間中に投資で得た利益は、原則として財産分与の対象になります。
名義が夫・妻のどちらであっても関係ありません。
株式、投資信託、NISA、暗号資産など、形を問わず「婚姻中に形成された財産」は、夫婦の共有財産と判断されるのが基本です。
なぜ投資利益まで分ける必要があるのか?
日本の財産分与の考え方は、「名義」ではなく夫婦の協力関係を重視します。
収入を得る側だけでなく、家事や育児、生活を支える役割も、財産形成への貢献とみなされます。
つまり、
「投資は自分だけがやっていた」
「相手は一切関与していない」
という事情があっても、婚姻中に増えた利益は共有と判断されやすいのです。
【実際の事例】株式投資の運用益が分与対象になったケース
40代夫婦。夫は会社員で、結婚前から株式投資を行っていました。
婚姻後も同じ証券口座で運用を続け、10年間で評価額は大きく増加。
離婚協議では、夫は
「元々の資金は結婚前のものだから、すべて自分の財産だ」
と主張しました。
しかし裁判所は、
・結婚前の元本部分は「特有財産」
・婚姻期間中に増えた運用益は「共有財産」
と判断し、増加分の半分を妻に分与する結果となりました。
このように、元本と利益は別物として扱われる点が非常に重要です。
見落としがちな「証明できないリスク」
さらに問題なのが、
「どこまでが結婚前の資産か」
「どの時点から増えたのか」
を客観的に証明できない場合です。
取引履歴や残高推移が整理されていないと、
「全体が共有財産」とみなされ、不利な分与になるケースも珍しくありません。
投資をしている人ほど、今考えておくべきこと
投資は「増やす」ことに意識が向きがちですが、
守る視点・万が一の視点も欠かせません。
・婚姻前資産と婚姻後資産を分けて管理しているか
・運用記録をきちんと残しているか
・夫婦間でお金のルールを共有しているか
これらを整えておくだけで、将来のトラブルは大きく減らせます。
今は関係ないと思っている方へ
離婚を前提に結婚している人はいません。
しかし、知らなかっただけで大切な資産を失うのは、あまりにももったいない話です。
投資をしているからこそ、
「万が一のとき、どう扱われるのか」
一度立ち止まって確認してみてください。
資産形成は、増やすことと同時に守る設計まで含めて完成します。
それが、本当の意味での“賢い投資”なのかもしれません。

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