周りに迷惑をかけない! 【認知症】への備え方
大分でライフプランのご相談を主軸に活動してます
ファイナンシャルプランナーの中野晴香です。
「あれ、最近、物忘れが激しいな」
「さっきも言ったのに!何度も同じことを聞いてくる」
・・・もしかして、認知症?
ご自身や父母、祖父母に対して感じることはありませんか?
【認知症は、だれもがなりうるものである】
厚生労働省の『認知症施策推進大綱』でも、この言葉が何度も繰り返されています。
この中で、認知症の予防についても書かれていますが、ここでの 「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味です。
実際、認知症になる方もどんどん増えてきており、寿命が長くなってきた今、ずっと生きていく中で認知症というのは、避けて通れない道なのではないかと感じています。
認知症になったらできなくなること
認知症になってしまった後も生活費や介護費用、施設費用など、たくさんのお金がかかります。
ですが、認知症になってしまったら…
・不動産の売買ができない。
・預金を下ろせない。
・NISAも現金化できない。
・相続対策ができない。
『今までコツコツと貯めてきたお金があるのに引き出せない』
『施設に入る時は、家を売ってそれを軍資金にしようと考えていたのに、そもそも家を売る手続きができない』
このように、資産があっても使えないという状況になってしまいます。
認知症になった後の対策
お金があるのに使えない状態を打破するには、『法定後見制度』を使うしかありません。
この制度を使うと、成年後見人が本人の代わりにお金の管理や様々な契約のお手続きができるようになります。
ただし、事前に家庭裁判所に申し立てを行う任意後見制度とは異なり、法定後見制度では、成年後見人は、『家庭裁判所が選ぶ』という点に注意が必要です。
認知症になる前に出来る対策
認知症などで判断能力がなくなり様々な手続きが出来なくなる前に、出来る対策を2つご紹介します。
任意後見制度
判断能力がなくなった後、お金の管理や契約の手続きを代わりにしてくれる人を事前に自分で選んで決めておく制度です。
家庭裁判所へ申し立てが必要なため、手続きが煩雑であり費用もかかってきますが、登録しておくと様々な状況に対応しやすいので便利です。
生命保険
銀行預金やNISAなどのお金は、認知症になってしまったら、口座凍結され簡単には引き出せなくなってしまいますが、生命保険で、指定代理請求を指定しておくと、簡単な手続きでお金を受け取ることができます。
指定代理請求とは、認知症などの特別な事情で、ご自身で保険金等の請求ができない場合、代わりに、事前に登録しておいた代理請求人が保険金の請求をできるものです。
ただし、生命保険で準備する場合、病歴やご年齢によりご加入できないことがあるので、早めの行動が必要です。
2019年に『老後2,000万円問題』の発端となった金融庁のレポートにも、
高齢期は、【資産の計画的な取崩しを実行するとともに、認知・判断能力の低下や喪失に備えて行動する時期】との記載があります。
ご自身がしっかりしている時は、まだまだ大丈夫、気になってはいるけど忙しくて後回しがなっている、ということが多いです。
また、介護費用などは高齢期から準備を始めても間に合わないというケースも多々あります。
認知症は、周りに大きな負担をかけてしまうものでもあるので、将来、『もっと早く対策をしておけばよかった』と後悔しないように、早め早めの準備を心がけましょう。
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